なんとなくそんな共感から読んだこの記事。
内容は鬼滅とぜんぜん関係なかった…。
ただ、何だかわからないけど、めちゃくちゃ引き込まれ
なんだか忘れられないエピソードになった。
心に沁みる。文章がうまい。
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Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。 | Books&Apps
「鬼滅の刃」が絶好調だ。 あえて説明する必要もないが、劇場版の興行収入がえらいことになっていたり、単行本の売り上げがドえらいことになっていたり、最終巻を求めて長蛇の列ができたり、めちゃくちゃ転売された ...
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ここからはネタバレを含みます
この文章に引き込まれる要因は、
どこにあるんだろう。
最初の導入。
Amazonで買ったのに、
鬼滅の刃のコミックスが読めない。
というタイトル。
そして開いて読み始めると、
話はどんどん鬼滅から離れていくのに……
ビックリマンチョコや、南海ホークスの野球帽といったキーワードに思わずノスタルジーな共感を寄せてしまう、やや疲れを自覚しまる世代をグイグイと引き込んでいく。
当事者だからこその深い親身
アルコール依存症の話だった。
母親のアルコール依存症。
隠れて飲んでいる、という体裁をなんとかギリギリでも保とうとしていた一線をついに超え、ビックリマンに夢中な年頃である小学生の息子に「鬼殺し」という酒をおつかいに頼む。
小学生ながらいろいろ多感な思いを抱えて、酒屋に買いに行くと、そこの角打ちの席で飲んだくれてるおっちゃんにからまれ、そして事情を知ったおっちゃんに「鬼殺し」をコイツに売っちゃダメだと制される。
でもそれは依存症の母を無責任に責め立てるような理由ではなくて、、、
「お前が買うとな、大きくなった時、自分も加担したって後悔するんだ。これからお前の母ちゃんがもっと酷くなるかもしれない、病気になるかもしれない、取り返しのつかないことになるかもしれない。その時に、あの時、酒を買って加担したのは自分だって後悔する」
支える側のつらさ、しんどさ。
そして「加担してしまったという後悔」。
当事者だからこそ。
外野の意見はいつも無責任に放たている、と反省しながら読み進める。
斜め上だった結末。
居間にはまだ酒の匂いが充満しており、闇のように真っ暗だった。
3枚くらいの布団がぐちゃぐちゃに折り重なったその奥に、鬼がいた。
「これ、いいらしいから飲みな」
そう言って渡す。
おっさんたちが選んでくれたのはビンだった。すこしボテッとしたビン、暗すぎてラベルは見えない。
「ごめんね、ごめんね」
母はそう言って蓋を開け、一気にかっこむ。
よほど飲みたかったらしい。
この先はホント、記事で。
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このおっちゃんたちの、
選んだ選択に詰まった思いも心に迫ってくる。
そして最後にまた、鬼滅のコミックスが読み始められない理由に、すごく共感を覚える。
なんとも心に刻まれる文章でした。